歩合給制を含む賃金制度構築コンサルティング

支払い明細書と人形
《参考図書》
マネジメントに活かす歩合給制の実務

「マネジメントに活かす歩合給制の実務」

  • 日本法令刊
  • 著者 弊社代表取締役 西川 幸孝

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歩合給制について

売上などの指標に対して一定の歩率を掛けて賃金の全部または一部を支給する「歩合給制」は、プロフェッショナル向けの賃金制度です。主に、保険募集人などの各種販売を行う営業職や、トラックドライバー、タクシードライバーなどの職種に適用されます。

歩合給制に対しては、「金で人間を動かそうとする制度である、人間を『使い捨て』する仕組みである」などとする批判する向きもありますが、必ずしもそうではありません。

そもそも、日本の雇用形態には、江戸時代を源流とする就社型のメンバーシップ型雇用と、成果や職務に対して賃金が支払われるジョブ型雇用の2つが存在します。メンバーシップ型雇用において、歩合給制を強行すれば問題が生じますが、歩合給制が適用されるのは、多くはジョブ型雇用に対してであり、生み出される価値に対して費用が発生する会社側の経営合理性と、やればやっただけの報酬となる歩合給制を好むプロフェッショナル職の志向性が合致して成立する仕組みなのです。

歩合給制は、経営側と働く側のニーズの一致を前提として機能していくと考えられます。

歩合給制において留意すべきこと

◎納得できる合理的な指標を設定すること

歩合給の対象となる指標として何を設定するかは最大のポイントとなります。

営業職であれば、一般的に売上高や粗利高などです。強化したい戦略商品などがあれば、歩率を高めに設定するという判断もあり得ます。

歩合給対象指標が1つだけとは限りません。

トラックドライバー職において、業務によって配送効率に大きな格差が生まれ、売上(運送収入)だけでは不公平が生じる場合、売上歩合だけでなく、配送距離歩合を設定してその合計で歩合給を決める方法も合理的です。

あまり複雑にならない範囲内で、歩合指標・歩率の設定はできる限り公平性を確保できるように設定することが望まれます。

◎シミュレーションを1年分行うこと

歩合を設定あるいは変更する場合、きちんとシミュレーションを行わなければなりません。売上や走行距離など、過去の実績をもとに、個人ごとにどの程度の歩合給になるかを試算します。季節変動もあるので、できれば1年分の実績をもとにしたシミュレーションを行います。

歩合対象指標や歩率も変化させて、努力や成果に対する公平性が保て、社員の納得性と経営合理性の両方が確保できるポイントを探っていきます。

◎割増賃金の支払いなど法的要件を満たすこと

歩合給制の場合、残業代計算方法や年次有給休暇の賃金額の算出方法、平均賃金算出方法が時間を単位とする賃金制度(時給制、日給制、月給制など)とは異なります。これらは、労働基準法および労働基準法施行規則により定められています。

歩合給制において問題になりやすいのは、未払割増賃金の問題です。「歩合給制を適用する場合は残業代の支払いは不要」、「あるいは単に残業代も含めて歩合として支払うとすれば足りる」といった誤解がありますが、歩合給制を採用しても残業代などの割増賃金の支払いは必要です。賃金制度設計にあたっては、割増賃金不払いなどの問題解決も図らなければなりません。

また、歩合給が低くなりすぎた場合の生活保障のために「出来高払制の保障給(労働基準法27条)」の設定が義務づけられています。

賃金設計にあたっては、これらの法的要件をクリアする必要があります。

◎変化に備えて仕組みをコントローラブルにしておくこと

経営環境は刻々と変化しています。それに伴って、歩合給制の内容を変更する必要が生じる可能性があります。そうした際の制度変更、特に不利益変更の可能性を踏まえて、制度構築を行う必要があります。

労働条件の不利益変更については、使用者と労働者の合意によることが原則とされています(労働契約法8条)。ただし、変更について一定の合理性がある場合は、就業規則の変更により可能とされています(労働契約法10条)。

合意が得られない場合でも、やむを得ず変更するには、その前提として歩合給制を含む賃金制度が、就業規則あるいはその一部である賃金規定において明確に定義されていることが必要になります。つまり、歩合給だけでなく基本給などを含む賃金の決定ルールが賃金規定を見ればわかる、そして賃金制度の変更が規定の変更によって実行可能な状態にしておくということが必要です。

ルールの明確性、透明性は経営サイドにとって必要なだけでなく、社員にとっても望ましいものであると考えられます。

標準的なコンサルティングステップ

  項目 内容

1

基本事項確認とデータ調整
  • 経営実態の確認
  • 労務管理状況と賃金制度実態の把握
  • 対象社員の職種・構成等の把握
  • 各種データの確認
2 現状分析と経営者・管理者ヒアリング
  • 賃金センサスデータとの比較による賃金水準分析、さまざまな偏り、歪みの確認
  • 労働時間数の実態確認と未払い残業代の有無確認
  • 改革ニーズ・方向性確認
3 賃金制度改革の方向性確認
  • 職種別賃金の適正水準の確認
  • 趣旨の不明確な支給項目(手当等)の整理統合
  • 基本給、手当、歩合給の見直し方針を確認
  • 激変緩和措置の概要検討
4 新賃金体系案の検討
  • あるべき賃金体系案の決定
  • 基本給・手当類の改革案決定
  • 歩合給の見直し方針決定
5 歩合給制の詳細検討
  • 歩合給制に係る対象指標の選択
  • 歩率の設定・各種シミュレーションの実施
  • 出来高払制の保障給設定
6 シミュレーションと内容の修正
  • 基本給、手当類のバランス確認
  • 歩合給の機能は適切に果たされているか
  • 職種別の不利益の程度は許容範囲か
  • 割増賃金額を含めた合計額が適切な水準か
7 新賃金制度の決定
  • 新賃金制度の各項目決定
  • 新賃金制度ルールのまとめ
  • 新賃金制度の導入プロセスの決定
8 激変緩和措置の設定と制度のまとめ
  • 2年間程度の激変緩和措置の設定
  • その他の代償措置の検討
  • 運用にあたっての留意点確認

コンサルティングの進め方

西川 コンサル風景

賃金制度の検討にあたっては、何通りかのシミュレーションを行って制度の適合性を検討していきます。

その前提として、対象社員ごとの各種データ(生年月日、入社年月日、労働時間、賃金額、歩合指標の数値等)を、弊社指定のエクセルフォーマットに入力いただく必要があります。

労働時間(残業時間)、売上などの歩合指標の数値については、季節変動等の影響を考慮するため、原則として1年間にわたるデータが必要となります。

会議においては、コンサルタントが各テーマについての考え方や参考例などを示し、どのような内容が課題解決に最適かの議論を交わし結論を得て構築作業をすすめていきます。結論が出ないことがらについても、暫定的な結論を置いて先に進んでいきます。

会議の後には、結論・暫定的結論のいずれについても、社内で確認を行っていただく必要があり、そこで修正が必要と考えられた場合には、ためらわず修正を行ってください。その作業に対して、コンサルタントはメールや電話にて必要なサポートを行います。

会議の最後には、次回テーマについてのレクチャーを行います。そして、課題を出しますが、それは社内作業を行っていただくことで、考え方や仕組みについて理解を深めていただくためです。そうした作業とサポートを通じて学習がすすみ、賃金制度導入後に自力で制度を運用することが可能になります。

コンサルティング契約

《コンサルティング内容》

歩合給制を含む賃金制度構築コンサルティング

6カ月程度を目安としたプログラムになります。

企業の必要性や人事制度構築現状にあわせて、プログラムをカスタマイズすることも可能です(歩合給制部分のみを検討するなど)。

《対象者》
意思決定権者、賃金制度責任者等
《回数》
原則8回、各回2時間を予定
必要に応じ、メール・電話によるフォローを随時行います
《料金》

対象社員数100名までの場合(100名を超える場合は、ご相談となります。)

一式 300万円(税別)

一括または2回での分割での支払い
※別途交通費が掛かります。

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