「経営人事改革の視点」 2015年5月号 若手社員の成長と企業の活性化

企業内の委員会活動

先日、北海道で50社超の企業グループを経営する「ヤマチユナイテッド」代表山地章夫氏の講演を聞く機会を得ました。この企業グループは、建築資材卸売会社を主体として、住まいに関わる分野から、イベント事業、介護事業、教育事業などへ事業を拡大し、急成長しています。

その経営手法には、色々と参考になるものがありましたが、中でも「委員会活動」は特筆すべきものでした。視える化委員会、業務効率UP委員会、社員スキルアップ委員会、CS委員会、ES委員会など全社合計で20近くの委員会があり、そこでの検討結果はグループ全社に反映されるそうです。

委員会は、社員が経営に参加し、自主的に問題解決できる風土を醸成するための仕組みで、原則として管理職を除くすべての社員が何らかの委員会に所属します。そして、ポイントは、その運営を入社1〜2年目を含めた若手社員に任せることです。それによって、若手社員が劇的に成長していくとのことでした。

現代の若者の特徴

現代の若者は、真面目でおとなしいタイプが多いと言われています。閉じたコミュニティで育ったケースが多いので、社会性の欠如がある一方で、自分の所属する仲間、コミュニティの他者からの評価を非常に気にし、そのメンバーの承認を必要とするという傾向性があります。

若者は、そもそも食うに困らない社会で育っているので、働いて豊かになりたいというモチベーションはあまり大きくないのですが、仕事を通じて純粋に成長したい、自分の思い描くキャリアや働き方をしたいという意識は高いと言われています。

しかし、出しゃばったり、恥をかいたりすることを非常にきらう傾向があるため、指示されていないことや、マニュアルに書かれていないことは、むしろやってはいけないと思っているふしがあります。そのため、「言われたことだけをおとなしくやる」人間に見えてしまう可能性があります。

若者のもう一つの特徴として、仲間や同年代の人間のことを非常に気にするということやがあります。上下の関係で一方的に指示されても、それに対する反発もあって最低限のことしかやらないことが多いのですが、周囲がこぞって何かに取り組んでいると、その動きに積極的に同調する傾向があります。取り残されることの不安もあり、周囲のみんながやっているから、自分もやらなければという気持になると思われます。

若手社員の活力を引き出す

ヤマチユナイテッドの委員会システムは、こうした若者の意識をうまくとらえた仕組みで、そのエッセンスはあらゆる企業において取り入れる余地があると考えられます。

そのポイントの一つは、社員のグループ化です。それにより、取り残されたくないという気持ちを含めた相互の刺激が発生します。

そして「承認」も重要なポイントです。自分たちが検討したこと、行ったことが認められることは大きな喜びです。若者の承認欲求は非常に強く、高い頻度での承認を必要としていますが、そもそも注目度が高い組織の中での活動であるため、「承認」が検討や活動の各段階において期せずして行われていきます。

テーマも会社にとって非常に重要なものであるため、活動を進めることで、自分たちが会社に貢献していることが確認でき、それが成長実感につながります。その成長実感は、後輩が入ってきた場合、自身が指導的な立場に立つことで、さらに加速することになります。

重要なことは、委員会に限らずこうしたシステムを作ることで、若手社員の成長の循環を実現することです。通常のOJTや一対一の教育では思うように進まない育成が、仲間との同調傾向を持つ若者の特徴を生かした仕組み作りにより、加速的に進む可能性があるのです。

以上