「経営人事改革の視点」 2017年6月号 チームリーダーの役割

組織リーダーとチームリーダー

リーダー像を考える際、「組織リーダー」と「チームリーダー」ではそのニュアンスが違ってきます。

組織というと、製造工場などにおけるピラミッド型の組織が思い浮かびますが、実際には日本の就労者の7割以上が第三次産業で働いています。多くの日本企業で、会社組織は必ずしも従来型・ピラミッド型にはなっていないのです。

そして、従来型の組織である課・係単位で業務を行うことが多い会社の場合でも、局面やテーマによっては他部署のメンバーや協力会社と共同で業務を進めることはよくあることです。このように考えると、現代のリーダーのあり方としては、固定的な組織の長というよりも、いろいろな立場の人間が共通の目的を持って集まった集団、つまりチームを率いて結果を出していく機能と考えた方がよさそうです。

従来型の組織においては、あらかじめメンバーの役割は決まっていて、リーダーは部下であるメンバーへ、つまり上から下へ指示命令を出し、各メンバーはそれを受けて行動していくという構図となります。

チームはどのように機能するか

チームにおいては事情が異なります。チームでは、その時々の目的があって、それを遂行するため選ばれたメンバーが集まります。そこであるべき姿を考えると、リーダーが行うべきことは、まずは目的の確認です。自分たちが何のために集まっているのか、それをどのように達成していくのかということを的確に伝えなければなりません。それは、モチベーションに直接関わることだからで、メンバーに対して単なる達成目標だけでなく、それを実現することがどのような意味を持つのか、どのように世の中の役に立つのかといったレベルまで昇華したものにすることが望ましいのです。

また、チームにおいては、メンバーの役割は必ずしも固定的ではないので、その結成時点においてメンバーの役割を確認・決定していくことになります。さらに言えば、メンバーの役割だけでなく、リーダーの役割をメンバーに対して明確にしておくことが重要なポイントです。

従来型組織においては、リーダーは指示命令する存在で、あらためてリーダーの役割を確認する必要があるとは考えられていませんでした。しかし、チームリーダーの場合はそうではありません。それは、リーダーのあり方というものに大きな幅があるからです。

チームリーダーとコミュニケーション

リーダーとしてどのような機能を果たしていくのかを具体的に示す必要があります。チームのメンバーにどのようなサポートを行うか、逆にメンバーにどのような役割を果たしてもらうことを期待するのかをアナウンスしなければなりません。

こうしたやりとりは、上から下への一方通行のものではなく、双方向のコミュニケーションになります。

メンバーには単一機能を果たしてもらうだけでなく、全人的な能力を発揮してもらうことが望ましいわけです。これは、過重労働を強いるということではなく、能力に制限を掛けないという意味です。基本的な役割を果たすことが当然メンバーの行動の中心にはなりますが、多様な感覚を持った人間として、いろいろな気づきがあるはずです。そうした気づきやさまざまな発想を積極的にフィードバックしてもらうことでチームのパフォーマンスは格段に違ってきます。

こうしたリーダーとメンバーの関係を構築していくためには、同じレベルで率直なコミュニケーションを行うことが大前提となります。リーダーは意思決定の面ではメンバーの上に立つわけですが、コミュニケーションにおいてはメンバーとまったく同じ立場で振る舞うということが重要で、メンバーにも同じ姿勢を求めていかなければなりません。日本の企業では、自然の流れでそうした関係にはなりにくいので、リーダーが繰り返しそれを求めていく必要があります。

こうしたチームの形成ができてはじめて、高度化・複雑化した市場環境の中で、高いレベルの企業活動が行っていけるのです。