「経営人事改革の視点」 2019年1月号 あけましておめでとうございます

◆元気な会社

皆様、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、コンサルティング等で元気な企業に関わった際に感じることがあります。それは、女性社員、若手社員が生き生きと活躍していることです。女性幹部が、対外的にもその会社の「顔」になっているケースは少なくありません。逆に、歴史はあっても成長を果たしていない企業では、その逆のことが起きているように感じます。

企業も一つの生命体です。競争環境の中で成果をあげていくためには、強いエネルギーが必要で、それには社員が能力を開花させ、成長していくことが不可欠です。社員一人ひとりの行動ベクトルの強さと方向性の総計が企業活動となるからです。

社員の成長は、経営者であれば誰でも望むことですが、そのことは思う程には難しいことではないのです。人間は、進化を遂げてきた生物種として、持って生まれた能力を開花させ成長していこうとする本能を有しています。能力の開花にフタをしたり、成長の邪魔をしたりしなければ、伸びていって当たり前なのです。

ところが、現実の企業においては、能力の開花や成長を阻害する要因がたくさんあります。

根本的なところでは、役割つまり責任と権限を明確にしないことも“成長阻害要因”の一つです。社員は、何をどこまでやっていいかわからないので、仕事への取り組みがどうしても及び腰になります。全力で取り組まなければ、能力開発にはつながりません。

役割を明確にすることで、仕事の定義も明確になり、またしっかり定義を行うことでモチベーション向上にもつながる「タスク完結性(部分だけでない業務全体への関与度)」も高まるという好循環も生まれます。

 

◆カジュアルさを求める

歴史を有する企業であればあるほど、形式主義、建前重視のルールや習慣が幅を利かせがちになります。その内容が理解可能ならばいいのですが、 大部分の社員にとって“謎のしきたり”だとすると、弊害でしかありません。

不合理的なものがはびこると、成長を促進する“伸び伸びとした”思考や行動を阻害し、組織の活力を奪います。形式主義と思考停止・行動萎縮は、多くの場合セットになります。

形式主義が根付いてしまった組織で、合理的な思考や行動を取り戻していくには、ある種の“インパクト”が必要です。「カジュアルさを求める」というのも、一つの有力な方法です。

その際、今実行されている方法やルールは、本当に必要かを考えていくことが出発点になります。スーツとネクタイは本当に必要か、特定の場面だけでいいのではないか。ちょっとしたセレモニーのたびに何度も繰り返される日本式の“おじぎ”は、やめてしまったら支障が生じるのか。会議で若手社員がほとんど発言しないが、それは会議の運営方法がよくないのではないか、などの検証です。その検討を行った上で、本音ベースのカジュアルなものに変えてしまうのです。

実現したいのは、スーツを着ることやおじぎをすることではなく、行動において力を発揮すること、よい発想をすること、心から相手のことを思いやること、成果が上がりその結果モチベーションが高まること、です。そうした動きを作っていくためには、社内において経験、性別、立場を超えて本音の議論が自由に交わされることが必要なのです。

必要なルールや行動様式は組織によって違います。「それは本当に必要か?」をギリギリまで問い詰めて、不要と思われるものは捨て、あるいは本音ベースのカジュアルなものに変えていく。そして本当に残すべきものは、掟(おきて)として死守するといったメリハリが求められます。