「経営人事改革の視点」 2014年12月号 「マイナンバー制度」導入の影響

マイナンバー制度とは?

「マイナンバー制度」は、「社会保障・税番号制度」の愛称ですが、日本国民と日本に居住する外国人1人ひとりに番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する制度で、2016年1月からその利用がスタートします。

これまで国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にすることで、国民の利便性を高めると同時に行政の透明化・効率化を図ることが同制度の目的です。

民間企業でも、以下のような対応が求められます。

  1. すべての企業は、2016年1月以降、税や社会保険・労働保険などの手続きでマイナンバー制度に対応すること。
  2. 企業は、原則としてすべての従業員と扶養控除等の対象となる家族のマイナンバー情報を自ら収集・管理しなければならない。
  3. マイナンバーの管理は厳しい規則に従って行う必要があり、その対応が適切でなかった場合、企業や担当する社員が罰則の対象となる可能性がある。

企業の対応

具体的には、税分野でいえば、源泉徴収票、扶養控除等申告書、報酬に関する支払調書等、社会保険・労働保険でいえば、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届、健康保険被扶養者(異動)届、雇用保険被保険者資格取得届・喪失届などの様式が変更になり、そこに従業員や家族の個人番号を記載する必要があります。

そして、従業員やその家族だけでなく、顧問税理士・顧問社労士や賃貸契約を締結している個人の家主などへの支払調書などにも個人番号を記載しなければなりません。

個人番号の取得に関しては、単にマイナンバーを記載した書類などを提出してもらうだけでは足りず、必ず本人確認を行うことが求められます。本人確認は銀行で口座開設する際の手続きと類似するもので、原則顔写真付の公的身分証(運転免許証、パスポートなど)で行うことが義務づけられています。

マイナンバーは、2015年10月頃、個人あてに12桁の番号が、法人に対しても同時期に13桁の番号が通知される予定です。初年度は、慣れない中で短期間に多くの個人番号の取得を行わなければならないため、事務負担もとても大きいものと考えられます。

情報管理体制の構築

前述のとおり、2016年1月からは、人を雇用する際には本人と対象家族の個人番号を取得すること、および情報漏洩や目的外使用を防ぐため、適切な管理を行うことが求められます。対象は正社員だけでなく契約社員やパート、アルバイトも対象となります。

また、不要になった個人番号の削除も必要になります。マイナンバーに関する情報は、社会保障や税など決められた分野以外での利用や目的外の保管が厳しく禁じられています。つまり、退職した従業員の個人番号などは、法律に基づく保存期間(例えば賃金台帳であれば退職後3年間)が過ぎれば、消去しなければなりません。従来は、保存を行うことのルールに関しては意識的であった企業も、書類廃棄やデータ消去に関して厳密な対応を行っているケースは少ないのではと思われます。

マイナンバー制度の導入にあたっては、情報システムの変更や新たな手順の作成、そしてそれらに対応する担当者の割り当てなどに相当の時間や予算が必要となってくると考えられます。情報管理体制の再構築に向けて、早急に検討を開始することをおすすめします。

以上